個人事業主のETCカードは、クレジット審査なしの協同組合カードなら開業直後でも申し込めます。高速代は旅費交通費、ガソリン代は車両費で処理し、1回税込1万円未満なら少額特例で帳簿だけでも仕入税額控除が可能です。費用は出資金1万円と走行料金の8%が目安。
この記事でわかること
- 高速代・ガソリン代の勘定科目と消費税の扱い(旅費交通費と車両費の使い分け)
- 領収書が出ないETC利用分をインボイス制度でどう残すか
- プライベート走行が混ざるときの家事按分の作り方
- 個人事業主が作れるETC・ガソリンカード4タイプの違い
- 協同組合カードの実額(出資金・年間手数料・事務手数料8%)と申込みの流れ
公的情報源: 国税庁 少額特例の概要/No.2210 必要経費の知識/インボイスQ&A 問103(2026年8月閲覧。税制は改正されるため最新は国税庁でご確認ください)
先に結論
車を使う個人事業主にとって、高速代とガソリン代は毎月出ていく実費です。ところが、この2つは 「領収書が出ない」「プライベートと混ざる」 という、帳簿づけで最も面倒な条件をどちらも抱えています。
解き方は2段構えです。まず勘定科目と証憑のルールを押さえる。そのうえで、支払いを事業用カードに寄せて、按分と証憑集めの手間そのものを減らす。
事業用カードの入口で詰まりやすいのが審査です。開業直後は事業実績が乏しく、クレジット系の法人カードは通りにくい。そこで選択肢になるのが、クレジット審査を行わない協同組合発行の法人ETC・ガソリンカード です。
- 高速代は旅費交通費、ガソリン代は車両費(または旅費交通費)。毎年同じ基準で使う
- ETCは領収書が出ない。税込1万円未満なら少額特例で帳簿保存のみでよい場合がある
- 兼用車は走行距離ベースの家事按分。事業用カードに分けると按分作業が減る
- 協同組合カードはクレジット審査なし。ただし出資金1万円と走行料金の8%がかかる
開業したばかりでクレジット審査が不安なら、審査の形が違うカードを先に確認しておくと動きやすくなります。
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高速代・ガソリン代の勘定科目|旅費交通費と車両費の使い分け
結論から書くと、高速道路料金は「旅費交通費」、ガソリン代は「車両費」 に入れるのが分かりやすい形です。どちらも法律で科目が決まっているわけではありません。判断軸は「内容が一目で分かるか」と「毎年同じ基準で続けられるか」です。
移動そのものにかかった費用を旅費交通費、車という資産を維持するための費用を車両費、と線を引くと迷いにくくなります。車両費という科目を作らず、ガソリン代も旅費交通費でまとめる形でも問題はありません。
走行まわりの支出と勘定科目の対応
| 支出 | よく使う勘定科目 | 消費税の区分 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 高速道路料金・有料道路 | 旅費交通費 | 課税仕入れ10% | 割引後の実際の請求額で計上 |
| ガソリン代 | 車両費/旅費交通費 | 課税仕入れ10% | 揮発油税を含んだ支払額が対象 |
| 軽油代 | 車両費/旅費交通費 | 課税仕入れ10%(軽油引取税を除く) | 軽油引取税は消費税の対象外 |
| コインパーキング・駐車料金 | 旅費交通費 | 課税仕入れ10% | 月極駐車場は地代家賃 |
| 車検・オイル交換 | 車両費/修繕費 | 課税仕入れ10% | 資産価値を高める工事は資本的支出 |
| 自動車税・重量税 | 租税公課 | 対象外 | 事業使用分だけを按分計上 |
| 組合の事務手数料 | 支払手数料 | 課税仕入れ10% | 請求書の内訳表示に合わせる |
記帳で間違えやすいのが金額です。ETCの割引が効いたときは、割引前の正規料金ではなく、実際に請求された金額 を計上します。深夜割引や休日割引が入った月ほどズレが出やすいので、明細の請求額をそのまま使ってください。
科目全体の考え方は個人事業主が経費にできるもの一覧でも整理しています。

ETC利用分の証憑とインボイス|領収書が出ない支出をどう残すか
ETCの一番の壁は、料金所で領収書が出ないことです。仕入税額控除まで考えると、対応の道は3本あります。自分がどれに当てはまるかで、毎月の作業量が大きく変わります。
ETC利用分のインボイス対応 3パターン
| 状況 | 保存するもの | 手間 |
|---|---|---|
| 1回の利用が税込1万円未満(少額特例の対象者) | 一定事項を記載した帳簿のみ | ほぼゼロ |
| ETCクレジットカードで1万円以上の走行がある | カード利用明細+道路会社ごとの利用証明書 | 初回のみ取得 |
| 協同組合の法人ETCカード | 組合が発行する請求書 | 毎月受け取るだけ |
少額特例が使えるなら、証明書の取得は不要
国税庁の少額特例では、税込1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくても一定事項を記載した帳簿の保存だけで仕入税額控除ができます。対象は 基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下 の事業者です。
適用期間は令和5年10月1日から 令和11年9月30日まで(国税庁・2026年8月時点)。1回あたりの通行料金が1万円を超えることは多くないため、多くの個人事業主はここで完結します。
判定は1回の取引単位です。1日に何度も高速に乗った場合、合算ではなく1回ごとに見ます。
1万円以上の走行がある場合は「1回分だけ」でよい
金額が大きい走行がある場合でも、全走行分の証明書を集める必要はありません。国税庁のインボイスQ&A 問103では、高速道路の利用が頻繁で全ての利用証明書の保存が困難なときの取扱いが示されています。
具体的には、クレジットカード利用明細と、利用した高速道路会社ごとの任意の一取引分の利用証明書 を併せて保存すればよい、という整理です。道路会社の登録番号は変わらないため、登録が取り消されない限り、証明書を毎月取り直す必要はありません。
ただし条件があります。ETC利用照会サービスで発行できるインボイス対応の利用証明書は、ETCクレジットカードを利用した場合に限られます(同サービス公式告知・2023年)。ここが、カードの種類で作業量が変わる分岐点です。
協同組合カードは請求書がそのまま資料になる
ETC協同組合と高速情報協同組合は、いずれも 2023年10月以降、インボイス制度に対応した請求書を発行している と公式サイトで告知しています。毎月の請求書とWeb明細を受け取って保存する流れになるため、走行ごとに証明書をダウンロードする作業が発生しません。
ダウンロードした明細や請求書のPDFは電子取引データにあたります。紙に印刷したものは原本になりません。保存の要件は電子帳簿保存法に個人事業主はどう対応するかで整理しています。免税事業者で仕入税額控除を考えなくてよい場合も、所得税の記録としての保存義務は残ります。
インボイス制度そのものの判断はインボイス制度の個人事業主のやり方を参照してください。

事業とプライベートが混ざる走行の家事按分
自家用車を仕事にも使っているなら、高速代もガソリン代も全額は経費になりません。国税庁は家事関連費について、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額に限る としています(国税庁 No.2210)。
走行コストの按分基準は 走行距離 が最も説明しやすい形です。使用日数で割る方法もありますが、1日の中で私用と業務が混ざる働き方だと根拠が弱くなります。
走行コストの按分基準と根拠の残し方
| 費目 | 按分基準 | 残しておく記録 |
|---|---|---|
| ガソリン代・軽油代 | 事業の走行距離 ÷ 総走行距離 | 運行記録(日付・行き先・目的・距離) |
| 高速道路料金 | 走行1回ごとに事業/私用を判定 | 明細に用件をメモ、私用分は除外 |
| 自動車保険料・車検費用 | ガソリン代と同じ按分率 | 按分率の計算根拠のメモ |
高速代は按分せず、1回ごとに事業か私用かを判定できるケースが多い支出です。得意先へ向かった往復は全額を経費、家族旅行は全額を除外。この仕分けができるなら、按分率を掛ける必要はありません。
ガソリン代は逆に、給油した時点では何割が仕事分か分かりません。そのため月ごとや年ごとの走行距離割合で按分します。カレンダーやスマホの位置履歴でも根拠にはなりますが、月末に1回、総走行距離と事業走行距離をメモする 運用が最も続きます。
按分割合に上限はありません。ただし生活実態と離れた割合は説明が苦しくなります。「事業使用9割」と書くなら、その裏付けになる訪問記録が必要です。

事業用のETC・ガソリンカードに分けると帳簿づけが軽くなる
ここまでの作業を振り返ると、面倒さの正体がはっきりします。按分計算と証憑集めの2つ です。事業用の支払い手段を分けると、この2つが同時に小さくなります。
- 按分の対象が減る:事業用カードで払った高速代は原則そのまま経費。私用分だけを抜く運用に変わる
- 証憑が1本化する:組合やカード会社の月次請求書に走行が集約され、明細を探し回らずに済む
- 会計ソフトの自動連携が効く:口座振替やカード明細を取り込めば、仕訳候補が自動で並ぶ
- 家計との切り分けが説明しやすい:私用の給油が同じカードに混ざらないため、按分率の根拠が明確になる
給油についても同じことが言えます。事業用のガソリンカードで給油した分だけを車両費に集めれば、家族が使った分と混ざりません。按分率をゼロに近づけられる支出は、そもそも按分しないのが一番早い という考え方です。
会計ソフトの明細連携との相性も良くなります。ソフトごとの取り込みの違いはfreee vs マネーフォワード徹底比較で整理しています。
給油だけ先に分けたい場合、法人ガソリンカードは年会費・手数料がかからない形で持てます。全国のアポロステーション・出光・昭和シェルSSで使えます。
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個人事業主が作れるETC・ガソリンカードの4タイプ
事業用カードには4つの形があります。どれが最適かは「クレジット審査に通るか」と「走行量」で決まります。
カード4タイプの比較
| タイプ | 開業直後の発行 | 走行料金への上乗せ | インボイスの取り方 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| 個人用クレカのETC | 作りやすい | なし | 利用証明書+明細 | 走行が少なく按分できる人 |
| 法人・ビジネスカード付帯 | クレジット審査あり | なし | 利用証明書+明細 | 審査に通る実績がある人 |
| 協同組合の法人ETCカード | クレジット審査なし | 走行料金の8% | 組合の請求書 | 審査が不安・事業用に分けたい人 |
| ETCコーポレートカード | 契約条件あり | 大口・多頻度割引 | 道路会社の請求書 | 走行量が非常に多い事業者 |
個人用のクレジットカードに付いたETCカードでも、事業の走行分を経費にすること自体はできます。ただし私用と混ざるため、家事按分と私用分の除外がずっと付いて回ります。
法人・ビジネスカードは費用面で有利です。年会費無料のものもあり、走行料金への上乗せもありません。通るなら、まずこちらを検討する価値があります。開業直後や事業実績が浅い時期は審査が通りにくいという現実があるだけです。
協同組合のカードは、この「通らない」を迂回する仕組みです。カードにクレジット機能を付けないため、クレジット会社の審査を経ずに発行 されます。
ただし審査がゼロというわけではありません。組合規定に基づく審査は行われ、確定申告書や開業届で事業を行っている事実の確認も入ります。この点は申込み前に押さえておいてください。

協同組合カードの費用・実質負担と申込みの流れ
協同組合カードは「安いから選ぶ」ものではありません。費用を正しく把握したうえで、審査の通りやすさと帳簿の軽さを買う 選択です。両組合の公表条件を並べます。
ETC協同組合と高速情報協同組合の費用(各組合の公表条件)
| 項目 | ETC協同組合 | 高速情報協同組合 |
|---|---|---|
| 組合加入出資金 | 10,000円/1社(脱退時返金) | 10,000円/1社(脱退時返金) |
| ETCカード発行手数料 | 880円(税込)/枚 | 550円(税込)/枚 |
| ETC年間手数料 | 880円/枚(年1回) | 550円(税込)/枚(年1回) |
| ETC事務手数料 | 走行料金の8% | 走行料金の8% |
| ガソリンカードの費用 | 手数料・年会費・事務手数料 無料 | カード手数料・年間手数料 無料 |
| ETCの支払い | 月末締め・翌々月に口座振替 | 月末締め・翌々月に口座振替 |
| ガソリンの支払い | 月末締め・翌月末に口座振替 | 月末締め・翌月末に口座振替 |
出資金は複数枚のカードを発行しても1社あたり1万円です。ETCカードとガソリンカードを両方作った場合も1万円で済みます。
年間の上乗せ額を先に計算しておく
判断で効くのは事務手数料8%です。走行料金に比例するため、走る人ほど負担が増えます。高速情報協同組合の条件(年間手数料550円)で試算すると次のようになります。
年間の高速代別・上乗せ額の目安(カード1枚・2026年8月時点の公表条件で試算)
| 年間の高速代 | 事務手数料8% | 年間手数料 | 上乗せ合計 | 実質の上乗せ率 |
|---|---|---|---|---|
| 30,000円 | 2,400円 | 550円 | 2,950円 | 約9.8% |
| 100,000円 | 8,000円 | 550円 | 8,550円 | 約8.6% |
| 300,000円 | 24,000円 | 550円 | 24,550円 | 約8.2% |
| 600,000円 | 48,000円 | 550円 | 48,550円 | 約8.1% |
走行が増えるほど上乗せ率は8%に近づきます。年間の高速代が数十万円規模になるなら、年会費無料の法人クレジットカードとの差額は無視できません。逆に年3万円程度なら、上乗せは3,000円弱です。
高速情報協同組合のETCカードは、平日朝夕割引による還元にも対応しています。走行回数が月5〜9回で約30%、10回以上で約50%の還元(NEXCO3社管理路線・平日6〜9時と17〜20時・最大100km相当分まで)という公表条件です。ここが効けば、8%の負担感は相当変わります。
ただし ETCマイレージサービスの登録・管理は組合が行い、組合員が個別に登録・管理することはできません(両組合の公式表示)。ポイントを自分で貯めて自由に使いたい人には向きません。
出資金1万円の会計処理に注意
見落とされやすいのが出資金の扱いです。脱退時に返ってくる預け金の性質を持つため、支払った年の経費にはならないのが原則 です。帳簿では「出資金」などの資産科目で処理し、返金を受けたときに取り崩します。
事務手数料・年間手数料・カード発行手数料は役務の対価なので、支払った年の経費です。「支払手数料」で計上するか、高速代とまとめて旅費交通費に含めるかは、請求書の内訳表示に合わせると整合が取れます。個別の科目判断が必要なら、税務署か税理士に確認してください。
申込みの流れと必要書類
手続きは郵送のやり取りを含むため、走り出す予定日から逆算して動くのが安全です。
- 申込フォームを送信:組合サイトのフォームに事業者情報を入力する
- 書類が届く:加入申込書に記入・押印し、必要書類のコピーを添えて返送する
- 出資金1万円を振込:振込先は送付書類に記載。入金確認後にカード発送の手配
- カード受領後に運用開始:会計ソフトに口座振替の明細連携を設定しておく
個人事業主が用意する書類(両組合の公表内容)
| 書類 | ETCカード | ガソリンカード |
|---|---|---|
| 所得税確定申告書の写し(未申告なら開業届・契約書等) | 必要 | 必要 |
| 代表者の運転免許証など本人確認書類 | 必要 | 必要 |
| 車検証の写し | 必要 | ETC同時申込時に必要 |
| ETC車載器セットアップ証明書の写し | 必要 | ETC同時申込時に必要 |
開業したばかりで確定申告をまだ行っていない場合でも、開業届や取引先との契約書、領収書などで事業実態を確認できれば申請できる と両組合とも案内しています。開業届の出し方は個人事業主の確定申告のやり方とあわせて確認してください。
高速代を事業用に分けたいなら、必要書類と出資金の条件を公式で確認するところから始まります。カード手数料550円・年間手数料550円、出資金は脱退時に返金される条件です。
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協同組合カードが向いている人・向かない人
同じ条件でも、走行量と審査状況で評価が反転します。判断材料を整理します。
- 開業1年目・事業実績が浅い:クレジット審査で止まってしまい、事業用のETCカードを持てない
- 私用と事業の走行が混ざっている:按分の根拠づくりに毎年時間を取られている
- 年間の高速代が数万円規模:8%の上乗せが年数千円で収まる
- 証憑集めを減らしたい:走行ごとの利用証明書のダウンロードを避けたい
- 年会費無料の法人カードに通る:走行料金への上乗せがない分、費用面で有利
- 年間の高速代が数十万円以上:8%の事務手数料が数万円単位に膨らむ
- ETCマイレージを自分で管理したい:登録・管理は組合が行うため個別管理ができない
- すぐに使い始めたい:書類の郵送と出資金の入金確認を挟むため即日発行ではない
- 車をほとんど使わない:出資金と年間手数料の負担に見合わない
迷ったときは、直近12か月の高速代を合計してみてください。その8%が、支払っても惜しくない金額かどうか。判断はこの1つの数字で足ります。
よくある質問
Q1. 個人事業主でも事業用のETCカードは作れますか?
作れます。協同組合が発行する法人ETCカードは法人と個人事業主の両方が対象で、クレジット機能が付かないためクレジット会社の審査がありません。申請時は所得税確定申告書の写しで事業を確認します。開業したばかりで申告実績がない場合は、開業届や契約書、領収書などの書類で事業実態を示せば申請できると各組合が案内しています。ただし組合規定に基づく審査はあり、必ず発行されるわけではありません。
Q2. 高速代の勘定科目は旅費交通費と車両費のどちらですか?
どちらでも問題ありません。移動そのものの費用として旅費交通費に入れる形が一般的で、車に関する支出を1つの科目にまとめたい場合は車両費でも構いません。大切なのは、税額が科目ではなく経費の合計額で決まるという点と、毎年同じ基準で振り分ける継続性です。去年は旅費交通費、今年は車両費といった揺れは避けてください。
Q3. ETCカードは領収書が出ませんが、経費にできますか?
できます。所得税の必要経費としては、利用明細や運行記録で事業関連性を説明できれば計上できます。消費税の仕入税額控除まで考える場合は、1回の利用が税込1万円未満で少額特例の対象事業者なら帳簿の保存のみで足ります。1万円以上の走行があるときは、カード利用明細と道路会社ごとの任意の一取引分の利用証明書を併せて保存する取扱いが国税庁のQ&Aで示されています。
Q4. 協同組合に払う出資金1万円は経費になりますか?
原則として経費にはなりません。出資金は脱退時に返金される預け金の性質を持つため、支払った年の費用ではなく資産として処理します。帳簿では「出資金」などの科目を立て、返金を受けた時点で取り崩すのが基本的な流れです。一方で、カード発行手数料・年間手数料・事務手数料は役務の対価なので支払った年の経費になります。個別の判断は税務署または税理士にご確認ください。
Q5. プライベートと兼用の車は、ガソリン代をどこまで経費にできますか?
事業で走った距離の割合分だけが経費になります。上限の割合は決まっていませんが、根拠を説明できることが条件です。月末に総走行距離と事業走行距離を記録し、その比率で按分するのが最も続けやすい方法です。訪問先や用件をメモした運行記録があれば、割合の裏付けになります。生活実態と離れた高い割合は説明が難しくなるため、記録に見合った数字にしてください。
Q6. ETCマイレージで無料走行した分は、どう記帳しますか?
ポイントを充当した部分は実際の支払いが発生していないため、経費に計上しません。利用証明書や請求書に記載された「還元額」を差し引いた後の請求額を、旅費交通費として計上します。元の通行料金で計上すると経費と消費税を過大に計上することになります。なお協同組合のカードではマイレージの登録・管理を組合が行うため、還元の扱いは申込み前に組合へ確認してください。
Q7. 事務手数料8%は高いのでしょうか?
走行量によって評価が変わります。年間の高速代が3万円なら上乗せは年2,400円ですが、30万円なら年24,000円です。年会費無料の法人クレジットカードに通るのであれば、費用面ではそちらが有利になります。協同組合カードの価値は、クレジット審査を経ずに事業用のカードを持てる点と、請求書が1本にまとまることによる帳簿づけの軽さにあります。この2つに支払う対価として判断してください。
まとめ|証憑と按分を減らす設計が、走行コストの経費処理を軽くする
高速代とガソリン代の経費処理は、科目選びよりも「証憑をどう残すか」と「按分をどう減らすか」で決まります。
- 高速代は旅費交通費、ガソリン代は車両費。割引後の請求額で計上する
- ETCは税込1万円未満なら少額特例。1万円以上は明細+道路会社ごとに1回分の利用証明書
- 兼用車は走行距離で按分。事業用カードに分ければ按分対象そのものが減る
- 協同組合カードはクレジット審査なし・出資金1万円・走行料金の8%。出資金は経費にならない
開業直後は、審査に通らないという理由だけで事業用の支払い手段を持てないことがあります。支払いを分けられれば、按分と証憑の作業は毎年ずっと軽くなります。まずは直近12か月の高速代と給油額を集計し、どの形が自分の走行量に合うかを確かめてください。
給油だけでも事業用に分けたい場合、法人ガソリンカードはカード手数料・年間手数料が無料で、全国平均から算出する価格で給油できます。新設法人や開業直後の個人事業主も対象です。
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免責事項
※本記事は2026年8月時点の国税庁公表資料および各組合の公式サイト公表情報をもとにした整理です。勘定科目の分類・家事按分の割合・少額特例やインボイスの適用可否は、事業内容や改正により異なります。各カードの費用・条件・必要書類は変更される場合があるため、申込み前に必ず公式サイトでご確認ください。個別の税務判断については、所轄の税務署または税理士など有資格者へご相談ください。

