この記事でわかること
- 青色申告と白色申告の違い5つ(控除・帳簿・赤字繰越・専従者・減価償却)
- 最大65万円の控除額の差と年収別の節税シミュレーション
- 白色から青色へ切り替える手続きと期限
- 会計ソフトを使えば作業量はほぼ同じであること
- 青色申告を選ぶべき理由
公的情報源: 国税庁 No.2072 青色申告特別控除/No.2070 青色申告制度(2026年6月閲覧)
結論を先に書きます
事業収入があるなら 青色申告が有利 です。理由は控除額の差が 最大65万円 あり、会計ソフトを使えば手間は白色とほぼ変わらないから。2014年以降は白色でも帳簿付けが義務化されており、「白色の方が楽」というのは古い情報です。控除に加え、赤字の3年繰越・専従者給与の全額経費化・少額減価償却の特例など、白色にはないメリットが青色にはあります。
- 控除:青色は最大65万円(e-Tax)、白色は0円
- 赤字繰越:青色は3年間、白色は不可
- 専従者給与:青色は全額経費、白色は上限あり(配偶者86万円等)
- 切替:適用年の3/15までに青色申告承認申請書を提出するだけ
複式簿記の帳簿付けは、会計ソフトを使えば自動化できます。青色申告に切り替えるなら、まず無料で操作感を試すのが近道です。
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青色申告 vs 白色申告 違い一覧(比較表)
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除額 | 最大65万円(電子申告)または10万円 | 0円 |
| 帳簿の種類 | 複式簿記(65万)または単式簿記(10万) | 単式簿記 |
| 赤字の繰越 | 3年間繰り越し可能 | 不可 |
| 専従者給与 | 家族への給与を全額経費に計上可 | 最大86万円の控除のみ |
| 減価償却の特例 | 30万円未満を即時全額経費化 | 不可 |
| 開業届 | 青色申告承認申請書が必要 | 不要 |
白色申告でも帳簿付けは義務化されています。手間がほぼ同じなら、控除が多い青色申告を選ぶ のが合理的です。
違い①:特別控除額(最大65万円 vs 0円)
青色申告の最大のメリットは青色申告特別控除です。
| 申告方法 | 条件 | 控除額 |
|---|---|---|
| 青色申告(e-Tax) | 複式簿記+電子申告 | 65万円 |
| 青色申告(書面提出) | 複式簿記 | 55万円 |
| 青色申告(簡易) | 単式簿記 | 10万円 |
| 白色申告 | — | 0円 |
年収別:節税額シミュレーション
| 年収(事業所得) | 白色の税額 | 青色の税額(65万控除) | 差額(節税額) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約14万円 | 約7万円 | 約7万円 |
| 500万円 | 約52万円 | 約40万円 | 約12万円 |
| 700万円 | 約116万円 | 約97万円 | 約19万円 |
| 1,000万円 | 約212万円 | 約187万円 | 約25万円 |
※所得税+住民税の概算。社会保険料控除・医療費控除等は考慮外。
年収500万円なら年間約12万円、1,000万円なら約25万円の差です。10年では120万〜250万円 の差になります。
違い②:帳簿のつけ方
「青色申告は帳簿が難しい」と思われがちですが、会計ソフト(弥生・freee・マネーフォワード)を使えば自動化できます。
- 青色:各取引を借方・貸方で記録。ソフトが自動仕訳するため簿記知識は不要。決算書も自動生成
- 白色:収支を一方向だけ記録(家計簿に近い)。2014年以降は帳簿付けが義務化。帳簿・請求書は5年間保存
会計ソフトを使う場合、青色と白色の作業量に大きな差はありません。「複式簿記は難しい」は会計ソフトがなかった時代の話です。
違い③:赤字の繰越(青色だけのメリット)
青色申告では、事業で赤字が出た場合に 翌年以降3年間繰り越せます。
- 2024年:赤字100万円 → 繰越損失として記録
- 2025年:黒字200万円 → 繰越100万円を差し引き、課税所得は100万円
- 節税効果:課税所得100万円分の税金(約20万円程度)を節約
開業初年度や設備投資が多い年は赤字になりやすいため、このメリットは事業拡大期に効いてきます。白色申告ではこの制度は使えません。
違い④:専従者給与(家族への給与が全額経費)
| 申告方法 | 家族への給与の扱い |
|---|---|
| 青色申告 | 「青色事業専従者給与」として全額経費に計上可(事前届出が必要) |
| 白色申告 | 「事業専従者控除」として配偶者86万円・その他50万円の上限 |
配偶者に月20万円(年240万円)を支払う場合、青色は240万円が全額経費、白色は86万円のみ控除です。年間154万円の経費差 は大きく、節税効果は数十万円に上ることがあります。
違い⑤:減価償却の特例(少額減価償却)
青色申告の個人事業主は、取得価額30万円未満の資産を購入した年に全額経費計上 できます。白色は10万円以上の資産を原則複数年で減価償却します。
ノートPC25万円を購入した場合、青色は購入年に25万円全額を経費計上、白色は耐用年数4年で年6.25万円ずつ(4年かかる)。初年度の節税効果に差が出ます。
青色申告に切り替える手続き
白色から青色へ切り替えるには税務署への届出が必要です。
- 開業届の確認:すでに提出済みなら不要。未提出なら開業届を提出
- 青色申告承認申請書の提出:新規開業は事業開始から2か月以内、白色から切り替えは適用を受けたい年の3/15まで
| 状況 | 提出期限 |
|---|---|
| 新規開業 | 事業開始日から2か月以内 |
| 白色から切り替え | 適用を受けたい年の3/15まで |
| 例)2026年分から適用 | 2026年3月15日まで |
期限を1日でも過ぎると、その年は青色申告が使えません。提出は税務署の窓口・郵送・e-Taxのいずれかで行えます。
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青色申告は自分でできる?会計ソフトの活用
「税理士に頼まないとできないのでは」という心配は不要です。会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても65万円控除に対応した申告書を作成 できます。
| ソフト | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| 弥生の青色申告 | 無料〜8,800円/年 | 利用者数が多い・操作が簡単 |
| freee会計 | 1,480円〜/月 | スマホ対応・銀行/カード連携が充実 |
| マネーフォワード クラウド会計 | 1,408円〜/月 | 銀行・カードの自動取込に強い |
どのソフトも無料トライアルがあるため、試してから選ぶのがおすすめです。
よくある質問
Q1. 青色申告は開業したばかりの人でも使えますか?
使えます。開業届提出と同時に「青色申告承認申請書」を提出すれば、最初の申告から65万円控除の対象になります。
Q2. 白色申告から青色申告に途中で変更できますか?
できます。適用したい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出してください。
Q3. 青色申告は会計ソフトなしでもできますか?
できますが、複式簿記を手書きで管理するのは現実的ではありません。弥生・freee・マネーフォワード等の会計ソフトの利用を強くおすすめします。
Q4. 副業収入でも青色申告はできますか?
「事業所得」として申告するなら青色申告を使えます。ただし副業が「雑所得」に分類される場合は対象外です。事業規模・継続性で判断が異なるため、税理士に確認することをおすすめします。
Q5. 65万円控除と55万円控除は何が違いますか?
65万円控除はe-Tax(電子申告)で提出した場合に適用されます。書面で提出すると55万円控除です。e-Taxの利用にはマイナンバーカードが必要です。
まとめ|青色申告を選ぶべき理由
- 年収300万円でも年約7万円、500万円なら約12万円の節税効果
- 赤字を3年繰越でき、事業拡大期のリスクヘッジになる
- 専従者給与・少額減価償却など白色にないメリットが多数
- 会計ソフトを使えば白色と作業量はほぼ同じ。3/15までに切替申請を
「手間が増えるから白色のまま」という選択は、毎年数万円〜数十万円を取り逃しているのと同じです。まだ白色の方は、来年の申告に向けて切り替え手続きを始めましょう。
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免責事項
※本記事は2026年6月時点の公開情報・国税庁公式をもとにした整理です。シミュレーションは一定の前提による概算で、税額は所得・控除・扶養等で変わります。税制は毎年改正されるため、最新の要件は国税庁公式で、個別の判断は税理士または所轄の税務署でご確認ください。

