青色申告の引当金で賢く節税!貸倒引当金など3つの特典を完全解説

【個人事業主必見】お金を使わずに節税できる?青色申告の最大メリット「引当金」の仕組みを徹底解説。貸倒引当金の計算方法から、退職給与引当金まで。知らないと損する「見えない経費」の計上方法を、実務に即してわかりやすくまとめました。

この記事でわかること

  • 現金支出なしで経費にできる引当金の仕組み
  • 売掛金などの5.5%を経費にできる貸倒引当金(一括評価・個別評価)
  • 在庫リスクに備える返品調整引当金
  • 退職金準備を経費にする退職給与引当金
  • 青色申告決算書への記載・洗替法の手続き

公的情報源: 国税庁 No.2070 青色申告制度/貸倒引当金(2026年6月閲覧)

結論を先に書きます

青色申告には特別控除(最大65万円)以外にも 「引当金の繰入」 という特典があります。これは 将来のリスクに備えるお金を、今のうちから経費として計上できる 国公認の節税ルールで、実際にお金が出ていかないのに税金を減らせる のが特徴です。最も使いやすいのが 売掛金などの年末残高に一律5.5%を経費にできる貸倒引当金(一括評価) で、これは青色申告だけの特典です。

この記事の要点
  • 引当金=お金を使わずに経費を作れる(手元資金は残る)
  • 貸倒引当金(一括評価)=売掛金などの5.5%を経費に(青色だけ)
  • 個別評価は実際に回収が危ない債権に。青色・白色どちらでも可
  • 適用には青色申告決算書への記載が必須。洗替法で処理

貸倒引当金の計上は、会計ソフトの決算ステップで設定を確認するのが確実です。どちらも無料から試せます。

目次

青色申告の「引当金」とは?なぜ節税になるのか

通常、経費は「お金を支払った時」に計上しますが、引当金は 「将来発生するかもしれない損失や費用」を見越して、あらかじめ当期の経費として計上 するものです。

  • 通常:お金を使う → 経費になる → 税金が減る(手元資金は減る)
  • 引当金:お金を使わない → 経費になる → 税金が減る(手元資金は残る)

青色申告者には主に 貸倒引当金・返品調整引当金・退職給与引当金 の3つが認められています。特に多くの個人事業主に関係するのが貸倒引当金です。

1. 貸倒引当金|最も使いやすい特典

売掛金や貸付金があるなら、ほぼ確実に計上できます。「一括評価」と「個別評価」の2種類を使い分けます。

① 一括評価による貸倒引当金(青色申告だけの特典)

相手が倒産していなくても、年末に残っている売掛金などの合計額に一律「5.5%」を経費 にできます。

対象となる債権事業上の売掛金・貸付金・未収の加工料/手数料/請負金など
繰入率5.5%(金融業は3.3%)
条件青色申告をしていること

節税効果の例:年末の売掛金残高が500万円なら、500万円×5.5%=27万5千円を経費 にできます。税率20%なら約5万5千円の節税です。

② 個別評価による貸倒引当金

実際に回収が危ない債権に設定するもので、青色・白色どちらでも適用できます。次のような事由で回収不能見込額を個別評価して経費計上します。

  • 会社更生法・民事再生法の申し立てが行われている
  • 債務超過が続き、事業好転の見通しがなく取り立ての見込みがない
  • 特定の債権で、弁済期限から5年以上経過しても回収できない
  • 海外政府への債権で経済的価値が著しく低下している

これらは焦げ付きそうな時に使うため、日常の節税対策は「一括評価」をメインに考えます。

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2. 返品調整引当金|在庫ビジネスのリスクヘッジ

出版業や医薬品販売など、商慣習として返品が多い業種特有の引当金です。過去の返品実績率に基づいて計算した金額を経費 に算入でき、利益の波を平準化できます。

適用できる主な条件
  • 指定された事業(出版・医薬品・化粧品・既製服などの製造・卸売など)を営む
  • 販売先と「無条件で買い戻す」特約(買戻し特約)を結んでいる
  • 常時、その特約に基づいて買い戻しを行っている

3. 退職給与引当金|従業員と会社を守る

この制度は専門性が高く適用要件が厳格なため、導入時は税理士に相談しましょう。事業所得のある青色申告者で、従業員(親族を除く)のための「退職給与規程」を整備している場合、将来支払う退職金の一部を経費にできます。

必要な「退職給与規程」のいずれか
  • 労働協約により定められた規程
  • 労働基準法などに基づき労基署に届け出た就業規則の規程
  • (届出義務がない場合も)作成した規程を税務署長に届け出た場合

繰入額は、退職給与発生基準額・累積限度基準額(期末要支給額の20%まで)・給与総額基準額(年間給与総額の6%)などを比較して算出します。経営の安定化と節税を両立できる制度です。

引当金を活用する際の申告手続き

引当金を経費にするには 確定申告書(青色申告決算書)への記載が必須 です。帳簿につけるだけでは認められません。青色申告決算書の「引当金」欄に計算根拠と金額を記入し、退職給与引当金は明細の記載も必要です。

また、引当金は 「洗替法」 が基本です。前年に計上した引当金を一度全額「収入(戻入)」に戻し、改めて今年の分を「経費(繰入)」として計上し直します。

よくある質問

Q1. 会計ソフトを使えば貸倒引当金は自動で計算されますか?

多くのクラウド会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)には、決算処理のステップで貸倒引当金の計上をサポートする機能があります。ただし自動入力ではなく「登録ボタンを押す」等の操作が必要な場合が多いため、決算時に必ず確認しましょう。

Q2. 売掛金が少なくても貸倒引当金を計上すべきですか?

少額でも計上するメリットはあります。ただし手間と節税額のバランスを考えて判断してください。売掛金残高が大きいほど効果が出ます。

Q3. 貸倒引当金は白色申告でも使えますか?

一括評価(5.5%)は青色申告だけの特典です。個別評価は実際に回収が危ない債権に対して青色・白色どちらでも適用できます。

Q4. 洗替法とは何ですか?

前年に計上した引当金を一度全額収入(戻入)に戻し、今年の分を改めて経費(繰入)として計上し直す処理です。会計ソフトを使えば決算ステップで処理できます。

まとめ|引当金は「守り」かつ「攻め」の節税

この記事のまとめ
  • 貸倒引当金(一括評価)は売掛金の5.5%を経費にできる青色だけの特典
  • 個別評価は取引先が危ない時のリスクヘッジ
  • 退職給与引当金などは規程の整備が必要だが経営安定に役立つ
  • 適用には青色申告決算書への記載が必須。洗替法で処理

引当金は税金を抑えるだけでなく、将来のリスクを数字で見える化する経営メリットもあります。「まだやっていない」という方は、まず会計ソフトで貸倒引当金の設定を確認し、計算や業種適用に不安があれば税理士・青色申告会の無料相談を活用しましょう。

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免責事項

※本記事は2026年6月時点の公開情報・国税庁公式をもとにした整理です。引当金の繰入率・適用要件は改正されることがあり、退職給与引当金など専門性の高い制度は個別事情で異なります。具体的な税務判断は税理士または所轄の税務署へご相談ください。


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この記事を書いた人

会社員時代に副業でWebライターを開始し、開業届の提出から青色申告への切り替えまでを独学で完遂。「会社にバレない申告方法」や「副業ならではの経費計上」の実践研究が得意。現在は専業フリーランスとして活動中。難しい専門用語を使わず、初心者でも今日から使える申告術をわかりやすく解説します。

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