納期の特例の納付書の書き方|1月20日納付分の記入例

納期の特例の納付書の書き方

納期の特例を受けている個人事業主は、2026年7〜12月に源泉徴収した所得税を、2027年1月20日(水)までに納めます。納付書は「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)」を使い、年度は「508」、納期等の区分は7月〜12月と書きます。納める税額が0円でも提出が必要です。

この記事でわかること

  • 納期の特例の対象になる源泉所得税と、1月20日に納める範囲
  • 納付書の欄ごとの書き方(年度・納期等の区分・支払年月日・人員・税額)
  • 従業員・専従者・税理士報酬がある個人事業主の記入例
  • 年末調整の不足税額・超過税額の入れ方と、0円のときの扱い
  • 令和8年分の納付書で気をつける読み替えと、e-Taxでの納付

公的情報源: 国税庁 納付書の記載のしかた(給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書)/国税庁 No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例/国税庁 源泉所得税の納税手続(2026年10月閲覧)

この記事の要点

  • 納期限は2027年1月20日(水)。7〜12月に支払った給与・税理士等の報酬の源泉所得税が対象
  • 年度は508、納期等の区分は自 508 07・至 508 12
  • 人員は各月の実人員を足した合計数。支払年月日は期間の最初と最後
  • 年末調整で還付した額は「年末調整による超過税額」欄に書き、納める額から差し引く
  • 令和8年12月以前の支払い分は、納付書の文言を「所得税及び復興特別所得税」に読み替え

目次

納期の特例の納付書で1月20日に納めるもの

納期の特例とは、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者が、源泉所得税を半年分まとめて納める制度です(No.2505)。1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日が期限です。

納期の特例の対象・対象外(No.2505・2026年10月時点)

源泉徴収した所得税納期の特例納める期限
従業員の給与・賞与対象7〜12月分は翌年1月20日
青色事業専従者の給与対象(源泉徴収した場合)同上
退職金対象同上
税理士・弁護士・司法書士などの一定の報酬対象同上
フリーランスへの原稿料・デザイン料・講演料など対象外支払った月の翌月10日

2027年1月20日は水曜日なので、期限はずれません(国税庁 主な国税の納期限)。期限までに納めないと、延滞税や不納付加算税がかかることがあります。

外注したライターやデザイナーへの報酬から源泉徴収している人は注意が必要です。この分は納期の特例の対象外で、「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」を使い、支払った月の翌月10日までに納めます。

1月20日にまとめて納めるもの・毎月納めるもの

納期の特例の対象
対象の支払い
給与・賞与、源泉徴収した専従者給与、退職金、税理士等の一定の報酬
期限
7〜12月分は2027年1月20日(水)
使う用紙
給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)
対象外
対象の支払い
フリーランスへの原稿料・デザイン料・講演料など
期限
支払った月の翌月10日
使う用紙
報酬・料金等の所得税徴収高計算書

図:外注先への報酬の源泉所得税は納期の特例に入らない

納付書(所得税徴収高計算書)の欄ごとの書き方

1月20日に使うのは、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)」です。納期の特例を受けている場合と受けていない場合で様式が違うので、税務署から届いた納期特例分の用紙を使います(納付書の記載のしかた)。

欄ごとの書き方(令和8年以降分の記載のしかた)

欄書く内容2027年1月20日納付分の例
年度会計年度。令和8年4月1日〜令和9年3月31日に納付する場合は「508」508
納期等の区分納期の特例の期間の最初と最後の支払年月自 508 07/至 508 12
俸給、給料等(支払年月日)期間内に支払った最初と最後の支払年月日08.07.25〜12.25
俸給、給料等(人員)実人員の合計数各月の人数の合計
俸給、給料等(支給額・税額)支給した総額と、源泉徴収した税額の合計7〜12月の合計
賞与個人事業主は必要経費に算入した賞与支給した月の分
税理士等の報酬税理士・弁護士・司法書士などへの報酬と源泉徴収税額7〜12月の合計
年末調整による不足税額・超過税額年末調整で追加徴収した額・還付した額12月の精算分
本税・合計額納める税額税額の合計+不足税額−超過税額

記載のしかたは、「年度」「納期等の区分」「合計額」の記入漏れに注意するよう書いています。金額を書き誤った用紙は訂正せず、新しい用紙に書き直してください。

令和8年12月以前の支払い分は文言を読み替える

令和8年以降分の納付書には、「所得税、復興特別所得税及び防衛特別所得税」と印刷されています。防衛特別所得税は令和9年分以後に源泉徴収が始まる税です(No.2505)。令和8年12月以前に生じた所得の支払いに使う場合は、「所得税及び復興特別所得税」と読み替えます(納付書の記載のしかた)。2026年7〜12月分を納める1月20日の納付書は、この読み替えの対象です。

記入例|従業員1人・専従者1人・税理士報酬がある場合

人を雇う個人事業主の例です(数字は説明用。実際の税額は源泉徴収税額表で計算した額を使います)。

前提(2026年7〜12月)

  • 従業員1人:月給200,000円を毎月25日に支給。源泉徴収税額は月4,000円とする
  • 青色事業専従者(配偶者)1人:月給80,000円。源泉徴収税額は0円とする
  • 税理士の顧問料:月22,000円。10.21%の2,246円を源泉徴収
  • 12月の年末調整で、従業員に6,000円を還付した(超過税額)

納付書の記入結果(納期特例分)

欄支払年月日人員支給額税額
俸給、給料等08.07.25〜12.2512人(2人×6か月)1,680,000円24,000円
税理士等の報酬08.07.31〜12.316人(1人×6か月)132,000円13,476円
年末調整による超過税額―――6,000円
本税(合計額)―――31,476円

本税は24,000円+13,476円−6,000円=31,476円です。年度は508、納期等の区分は自508 07・至508 12と書きます。

専従者の給与は、源泉徴収税額が0円の月も支給額と人員に含めた例です。賞与を払った人は、賞与の欄に支払年月日・人員・支給額・税額を同じ要領で書きます。

1月20日の納付書ができるまで

  • 7〜12月に支払った給与・税理士等の報酬と源泉徴収税額を、月ごとに帳簿で確認
  • 12月年末調整で精算過不足を本人と精算。令和8年分は基礎控除の引上げ等が12月に反映される
  • 集計6か月分を欄ごとに合計人員は各月の人数の合計、支払年月日は最初と最後
  • 記入年度508・自508 07至508 12超過税額を差し引いた額が本税。0円でも提出
  • 1月20日(水)まで金融機関の窓口かe-Taxで納付e-Taxならダイレクト納付・ネットバンキングなどのキャッシュレス納付

報酬・料金(外注先への原稿料など)は納期の特例の対象外。毎月10日の別の納付書

図:納期の特例の納付書は、12月の年末調整を終えてから6か月分を合計して作る

年末調整の不足税額・超過税額と、0円のときの扱い

12月の年末調整で、本人から追加で徴収した額は「年末調整による不足税額」欄、本人に還付した額は「年末調整による超過税額」欄に書きます。その月に実際に徴収した不足額・還付した超過額の合計を書くと記載のしかたにあります。

令和8年分の年末調整は超過税額が出やすい

令和8年度税制改正で、基礎控除の引上げと給与所得控除の最低保障額の引上げなどが行われました。改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分の所得税から適用されます。令和8年11月までの源泉徴収事務は変わらず、12月の年末調整から反映されます(国税庁 基礎控除の引上げ等について)。

11月までは改正前の基準で源泉徴収しているので、12月の年末調整で本人に返す超過額が例年より大きくなることがあります。1月20日の納付書では、その超過額を差し引いた残りを納めます。

納める税額が0円になったとき

超過税額を差し引いて納める税額がなくなった場合も、税額0円の所得税徴収高計算書を提出します(国税庁 源泉所得税の納税手続)。0円の計算書は、所轄の税務署へ提出(郵送を含む)するか、e-Taxで送信します。

0円の計算書の写しにも収受日付印は押されません。提出した日を、控えの余白などに自分で記録しておきます。超過額が7〜12月分の税額より大きく引ききれない場合の精算方法は、国税庁の年末調整のしかたで確認してください。

納める税額が0円になったとき

  • 年末調整の超過税額を差し引いたら、納める額がなくなった
  • 用紙税額0円の所得税徴収高計算書を作る還付した額は年末調整による超過税額の欄に書く
  • 提出所轄の税務署へ提出(郵送を含む)かe-Taxで送信納める税額がなくても提出が必要
  • 記録提出した日を控えの余白に書く0円の計算書の写しにも収受日付印は押されない

超過額が引ききれない場合の精算は、国税庁の年末調整のしかたで確認

図:0円でも計算書は出す

e-Taxでの納付と、廃業・人を雇わなくなったとき

源泉所得税は、e-Taxで徴収高計算書データを作って送信すれば、窓口に行かずに納付できます。キャッシュレス納付を使うには、先に徴収高計算書データをe-Taxで送信する必要があります(国税庁 源泉所得税の納税手続)。

納付の方法(2026年10月時点)

方法事前に必要なことメモ
金融機関・税務署の窓口納期特例分の納付書(用紙)0円の計算書は税務署へ提出かe-Taxで送信
ダイレクト納付e-Taxの利用開始とダイレクト納付利用届出書口座から引落し
インターネットバンキングe-Taxで徴収高計算書データを送信送信後に納付
クレジットカード・スマホアプリ同上決済手数料などは各サービスの案内を確認

e-Taxの利用開始の手順はe-Taxのやり方にまとめています。

人を雇わなくなった・廃業したとき

給与の支給人員が常時10人以上になったら、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を出します(No.2505)。人を雇わなくなった、事業をやめた場合は、給与の支払事務所の廃止などの届出が別にあります。手続きは所轄の税務署で確認してください。

人を雇っている個人事業主は、1月20日のあと2月1日(月)に法定調書合計表と給与支払報告書の提出も控えています。青色事業専従者の給与の扱いは従業員・専従者の健康診断の記事でも触れています。

よくある質問

Q1. 納期の特例の納付書はいつまでに出しますか?

2026年7〜12月に支払った給与・税理士等の報酬の分は、2027年1月20日(水)が期限です。1〜6月分は7月10日が期限です。

Q2. 納付書の「年度」欄には何と書きますか?

会計年度を書きます。令和8年4月1日から令和9年3月31日までに納付する場合は「508」です。2027年1月20日に納める7〜12月分も508になります。

Q3. 人員欄は何人と書けばいいですか?

記載のしかたでは「実人員の合計数」を書くとされています。2人に6か月給与を払ったなら、各月の2人を足した12人です。

Q4. 年末調整で還付が出て、納める税額が0円になりました。提出は必要ですか?

必要です。税額0円の所得税徴収高計算書を、所轄の税務署へ提出するかe-Taxで送信します。写しに収受日付印は押されないので、提出日は自分で記録しておきます。

Q5. 外注したライターへの原稿料の源泉所得税も1月20日にまとめていいですか?

まとめられません。納期の特例の対象は、給与・退職金と、税理士・弁護士・司法書士などの一定の報酬に限られます。原稿料やデザイン料の源泉所得税は、報酬・料金等の納付書で納め、期限は支払った月の翌月10日です。

Q6. 納付書に「防衛特別所得税」と書いてあるのはなぜですか?

令和8年以降分の納付書には、令和9年分以後に源泉徴収が始まる防衛特別所得税の文言が入っています。令和8年12月以前に生じた所得の支払いに使うなら、「所得税及び復興特別所得税」と読み替えてください。

まとめ

納期の特例の納付書は、12月の年末調整を終えてから7〜12月の6か月分を合計して作ります。

この記事のまとめ

  • 期限は2027年1月20日(水)。対象は給与・退職金・税理士等の報酬
  • 年度は508、納期等の区分は自508 07・至508 12
  • 人員は実人員の合計数、支払年月日は最初と最後
  • 本税=税額の合計+不足税額−超過税額。0円でも税務署かe-Taxへ提出
  • 令和8年分の年末調整は12月に改正が反映され、超過税額が出やすい
  • 外注先への報酬は対象外。翌月10日の別の納付書

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免責事項

※本記事は2026年10月時点の国税庁の公開資料(令和8年以降分の納付書の記載のしかた・No.2505ほか)をもとにした整理です。記入例の税額は説明用で、実際の源泉徴収税額は源泉徴収税額表と年末調整の計算で決まります。筆者は税理士ではなく、フリーランスとして自分の申告を行ってきた一当事者です。個別の税務判断は所轄の税務署または税理士など有資格者へご確認ください。


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この記事を書いた人

会社員をしながら副業でWebライターを始め、開業届の提出から青色申告への切り替えまで、独学でやり切ったAokiです。今は専業のフリーランスとして4年目になります。副業の確定申告に初めて向き合った夜、青色申告の本を読んでも税理士のブログを見ても、「副業会社員のリアル」がどこにも書かれていなくて、夜中に頭を抱えました。

経費は何が認められるのか、住民税をどう設定すれば会社に知られにくいのか、仕訳は結局何を入力すればいいのか。全部、自分で何か月もかけて調べました。当時いちばん欲しかったのは、同じ立場の人がどう乗り越えたかの手順書です。このサイトでは、副業ならではの経費計上やfreeeとマネーフォワードの使い分けを、専門用語をかみ砕いて書いています。最終的な税務判断は、顧問税理士にご確認ください。

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