個人事業主のパソコン代は経費になる?10万・20万・40万円の壁と青色・白色の差、按分・開業前購入の処理を国税庁ベースで整理

個人事業主のパソコン代は、仕事に使う割合の分だけ経費になります。1台10万円未満は買った年の消耗品費、10万円以上20万円未満は3年で分ける一括償却資産、青色申告なら40万円未満まで買った年に全額(2026年4月1日以後の取得・年300万円まで)、それ以上は耐用年数4年で減価償却です。

この記事でわかること

  • 取得価額の10万円・20万円・40万円の壁と、青色・白色で変わる処理を1表で
  • 25万円のパソコンを9月に買った場合に初年度で落ちる額を、青色と白色で実額比較
  • 送料・設定費・同時購入のモニタは取得価額に含めるか、税込と税抜のどちらで判定するか
  • 私用と兼ねる1台の按分の決め方と、特例を使うときの按分のかけ方
  • 開業前に買ったパソコンの扱い(開業費にはならない・未償却残高の出し方)
  • 分割払い・レンタル・月額サブスクの処理と、決算書「減価償却費の計算」欄の書き方

公的情報源: 国税庁タックスアンサー No.2100 減価償却のあらましNo.2108 非業務用から業務用に転用した場合の減価償却No.2106 定額法と定率法租税特別措置法 第28条の2(e-Gov法令検索)所得税法施行令 第126条・第138条・第139条(e-Gov法令検索)(2026年9月閲覧。税制は改正されるため最新は国税庁でご確認ください)

パソコンの取得価額・取得日・事業割合を1回登録すれば、少額特例か一括償却かを選ぶだけで償却費と決算書の「減価償却費の計算」欄まで自動で埋まります。償却率を調べる作業をやめる方法があります。

結論を先に書きます

パソコン代は、1台の取得価額と申告の色(青色か白色か)で処理が決まります。決めることは2つだけです。どの制度で落とすかと、事業で使う割合を何%にするか。

10万円未満なら迷う余地はなく、買った年の消耗品費です。10万円以上になると、一括償却資産・少額減価償却資産の特例・通常の減価償却の3つから選ぶことになり、青色申告だけが使える特例の有無で初年度の経費が大きく変わります。

この記事の要点

  • 判定は1台の取得価額(送料・初期設定費を含む。免税事業者は税込)
  • 10万円未満=消耗品費/10万〜20万円未満=一括償却資産(3年・白色も可)
  • 青色申告は40万円未満まで買った年に全額(2026年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)。年300万円が上限で、開業した年は月割
  • 40万円以上=耐用年数4年(サーバー用は5年)の定額法で月割
  • 按分は判定の後。制度で出た償却費 × 事業割合が経費で、判定に割合はかけない
  • 開業前に買った1台は開業費にならない。未償却残高を出してから償却を始める

目次

個人事業主のパソコン代が経費になる条件と勘定科目

パソコンが経費になる条件は、事業の収入を得るために使っていることです。私用と兼ねている場合は「家事関連費」になり、業務に必要だと明らかに区分できる部分だけが必要経費です(国税庁 No.2210)。

勘定科目は本体の金額で変わります。10万円未満は消耗品費、10万円以上は「工具器具備品」として資産に載せてから、減価償却費で経費にしていく形です。

パソコンまわりの費目と勘定科目

費目勘定科目扱い
本体(10万円未満)消耗品費買った年に全額。事業割合をかける
本体(10万円以上)工具器具備品 → 減価償却費金額帯で3つの制度から選ぶ(次章)
送料・初期設定サービス費本体の取得価額に含める単独で経費にしない(後述)
マウス・キーボード・外付けSSD消耗品費本体と別の単位で判定。10万円未満なら全額
外部モニタ(単独で機能する)消耗品費/工具器具備品本体と別の単位。10万円以上なら資産
Office・Adobe などのサブスク通信費または消耗品費月額をその都度経費。年払いは期間で分ける
買い切りソフト(10万円以上)ソフトウェア(無形固定資産・5年)10万円未満なら消耗品費
修理・バッテリー交換修繕費性能を上げる改造は資本的支出で資産に加える
下取り・売却代金事業主借(譲渡所得の扱い)帳簿価額を除却して差額を精算

サブスク型のソフトは資産にならないので、按分した月額をそのまま経費に入れます。パソコン本体だけが「いくらで買ったか」で処理が分かれる費目です。

パソコンの支出を科目に分ける

  • パソコンにかかった支出
    • 本体+送料・設定費1台の取得価額として合算。金額帯で制度を選ぶ
    • 周辺機器単独で機能するものは別単位。10万円未満は消耗品費
    • ソフト・サブスク月額は通信費や消耗品費。買い切り10万円以上はソフトウェア
    • 修理・下取り修繕費/事業主借で精算

私用分はどの科目でも事業主貸で切り出す。判定は取得価額、按分は最後

図:パソコンの支出は本体・周辺機器・ソフト・修理の4系統に分けてから科目を当てる

いくらまで一括で経費?10万円・20万円・40万円の壁と青色・白色の差

取得価額が10万円未満なら、買った年に全額を必要経費にできます(所得税法施行令138条)。10万円以上は減価償却資産で、原則は耐用年数4年で分けます(国税庁 No.2100)。

原則どおり4年で分ける人は多くありません。金額帯ごとに、まとめて経費にできる制度が2つあるからです。

取得価額の4段階と処理(1台あたり)

取得価額白色申告青色申告経費になる年
10万円未満消耗品費で全額同左買った年
10万円以上20万円未満一括償却資産(3分の1ずつ)一括償却資産 または 少額減価償却資産の特例3年 または 買った年
20万円以上40万円未満通常の減価償却(4年・月割)少額減価償却資産の特例で全額4年 または 買った年
40万円以上通常の減価償却(4年・月割)同左4年で分ける

一括償却資産は、10万円以上20万円未満の資産を3年間で3分の1ずつ経費にする制度です(施行令139条)。白色でも青色でも使えて、買った月に関係なく3等分 できるのが利点です。

少額減価償却資産の特例は青色申告だけの制度です。2026年4月1日以後に取得した10万円以上40万円未満の資産は、買った年に全額を必要経費にできます。2026年3月31日以前の取得は30万円未満が上限で、1年の合計は300万円まで。取得の期限は2029年(令和11年)3月31日です(同 No.2100 注3/租税特別措置法第28条の2)。

開業した年は300万円の上限が月割になる

特例の年300万円は、開業した年だけ「300万円 ÷ 12 × 開業してからの月数」 に縮みます(措法28条の2第1項)。9月に開業した人の上限は300万円 × 4 ÷ 12 = 100万円です。パソコン1台なら届かない金額ですが、開業と同時にカメラや机も特例で落とす人は合計額を確かめておいてください。

パソコン1台の処理を決める

  • 1台の取得価額(送料・設定費込み。免税事業者は税込)はいくらか
  • 10万円未満消耗品費で全額白色・青色とも買った年に経費
  • 10万円以上20万円未満一括償却資産(3年・月割なし)青色は少額特例で当年一括も選べる
  • 20万円以上40万円未満青色=少額特例で当年一括白色=4年の定額法で月割
  • 40万円以上4年の定額法で月割青色でも特例の対象外。サーバー用は5年

経費に入れる額=上の処理で出た金額 × 事業割合。判定に割合はかけない

図:パソコン代は取得価額の4段階で処理が決まり、按分は最後にかける

耐用年数と償却率

耐用年数表の「電子計算機」の行に、パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く)は4年、その他のもの(サーバー用)は5年と定められています(国税庁 耐用年数(器具・備品))。

個人事業主の法定の償却方法は定額法で、4年の償却率は0.250です。年の途中で買ったときは「取得価額 × 0.250 × 使った月数 ÷ 12」で、月の途中に買った月は1か月と数えます(国税庁 No.2106)。

25万円のパソコンを9月に買ったら初年度にいくら落ちるか|青色と白色の実額

金額帯の表だけでは、手元でいくら変わるかが見えません。同じ1台で青色と白色を並べます。条件は税込250,000円のノートパソコンを9月に購入して同月から使用、事業割合80%、免税事業者(税込判定)です。

初年度に必要経費へ入る額(取得価額250,000円・9月取得・事業割合80%)

処理使える人初年度の償却費必要経費(×80%)2年目以降
少額減価償却資産の特例青色のみ250,000円200,000円なし(初年度で終わり)
通常の減価償却(4年・定額法)白色・青色250,000 × 0.250 × 4/12 = 20,833円16,666円毎年62,500円 × 80% = 50,000円を4年目まで、5年目に残りを償却

初年度の差は約18万3,000円 です。所得税5%+住民税10%の人なら税額で約2万7,000円、所得税20%の人なら約5万5,000円が翌年の納税で変わります(税率は概算・復興特別所得税を除く)。

4年で見れば経費の合計は同じ200,000円です。特例は「早く落とす」制度で、総額が増えるわけではありません。ただ、開業した年や売上が伸びた年に経費を前倒しできる意味は大きく、利益が少ない年なら、あえて通常の償却を選んで翌年以降に経費を残す 判断もあります。

20万円未満の1台なら、白色でも一括償却資産で差を縮められる

処理198,000円のパソコン・9月取得・80%初年度の必要経費
一括償却資産(白色・青色)198,000 ÷ 3 = 66,000円52,800円
少額減価償却資産の特例(青色)198,000円158,400円
通常の減価償却(4年)198,000 × 0.250 × 4/12 = 16,500円13,200円

白色申告で20万円未満の1台なら、一括償却資産を選ぶだけで初年度の経費が通常の償却の4倍になります。買った月が12月でも3分の1が落ちるので、年末の購入ほど差が開きます。

同じ1台で初年度に落ちる額(250,000円・9月取得・事業割合80%)

青色申告・少額特例
償却費
250,000円(全額)
必要経費
200,000円
2年目以降
なし
条件
2026年4月1日以後の取得・年300万円まで
白色申告・通常の償却
償却費
20,833円(4か月分)
必要経費
16,666円
2年目以降
毎年50,000円を4年目まで
条件
耐用年数4年・定額法0.250

図:青色の特例と白色の通常償却で、初年度の必要経費は約18万3,000円違う(4年合計は同じ)

取得価額に含めるもの・税込か税抜か・同時に買ったモニタの扱い

判定でつまずくのは金額帯より「取得価額をどこまで数えるか」です。10万円や40万円の境目にいる1台ほど、送料や消費税の数え方で処理が変わります。

取得価額=本体価格+買うためにかかった費用+使えるようにする費用

減価償却資産の取得価額は「購入の代価(引取運賃・購入手数料などを加えた額)」と「業務の用に供するために直接要した費用」の合計です(所得税法施行令126条1項1号)。パソコンに当てはめると次の通りです。

費用取得価額に理由
本体価格含める購入の代価そのもの
送料・代引手数料含める購入のために要した費用
初期設定・データ移行サービス費含める使える状態にするための費用
プリインストールのOS・Office含める本体と分けて買えない
別売りのソフト・周辺機器含めない別の単位で判定(それぞれ消耗品費など)
延長保証・保守契約料含めない期間に応じた前払費用・支払保険料などで経費
旧パソコンの回収費含めない買った1台を使うための費用ではない

税込98,000円のパソコンに初期設定サービス5,500円を付けると、取得価額は103,500円で10万円以上です。境目にいるなら、設定は自分でやるか、別の日に別のサービスとして頼むかで処理が変わります。

税込か税抜かは経理方式で決まる

消費税の免税事業者は税込経理しか使えないので、税込価格で判定 します。税抜99,800円のパソコンは税込109,780円で、10万円以上の資産です。課税事業者で税抜経理を選んでいる人だけが税抜価格で判定できます(国税庁 No.5403 判定の例示は法人向けですが、経理方式で判定する考え方は個人も同じです)。

同時に買ったモニタ・キーボードは「1組」か「別」か

10万円未満かどうかは「通常1単位として取引されるその単位」で判定し、器具備品は「1個、1組又は1そろい」ごとです(所得税基本通達49-39)。

ノートパソコン本体と外部モニタは、それぞれ単独で機能するので別の単位です。本体95,000円+モニタ40,000円を足して13万5,000円の資産にはせず、2つとも消耗品費で全額を落とせます。

一方、モニタなしでは使えないデスクトップ本体とモニタをセットで買った場合は「1そろい」として合算するのが通例です。本体80,000円+モニタ30,000円は110,000円の1台として扱います。セット販売か単品かで割り切らず、単独で機能するかどうかで分けてください。

私用と兼ねる1台の按分と、特例を使うときの按分のかけ方

兼用の1台は、事業で使う割合を決めてから経費を出します。割合の決め方に法律上の決まりはなく、業務の内容や使い方を総合して判定します(所得税基本通達45-1・45-2)。

按分の順番は「制度で償却費を出す → 事業割合をかける」

判定は取得価額そのもの、按分は経費に入れる額を出すときにかけます。事業割合80%の25万円のパソコンを「20万円のもの」として判定することはできません。

少額減価償却資産の特例も同じです。取得価額25万円で判定して特例を使い、償却費25万円に80%をかけた20万円を必要経費に、残り5万円を事業主貸にします。私用と兼ねていても特例は使えます。決算書の「事業専用割合」欄に80と書けば、必要経費算入額は自動で80%分になります。

パソコンの按分基準と残す証拠

基準計算式向いている使い方残す証拠
時間仕事で使う時間 ÷ 1日の使用時間兼用1台・在宅の作業が多いOSの使用時間の記録、作業ログ、業務日誌
日数仕事で使う日数 ÷ 月の日数稼働日と休日がはっきり分かれる稼働カレンダー、納品記録
台数事業専用の台数 ÷ 全台数仕事用と私用を2台に分けている購入明細、ログインアカウントの分離

兼用1台の目安は、専業のフリーランスで時間か日数で決めて6〜9割、副業の会社員なら本業の勤務時間があるので2〜5割に収まることが多い帯です。割合を高く置くより、記録で説明できる割合にしておく 方が後で効きます。

事業専用の2台目を分ければ、その1台は按分なしで100%です。仕事用アカウントだけでログインしている実態があれば説明できます。按分の3基準と証拠の残し方はスマホ代の経費の記事、自宅で使う場合の家賃・電気代の按分は自宅家賃の按分の記事で同じ考え方を整理しています。

固定資産の登録画面に取得価額・取得日・事業割合を入れると、少額特例・一括償却・通常償却のどれを選んだかで償却費が計算され、私用分の事業主貸まで自動で切り出されます。決算書の「減価償却費の計算」欄は転記なしで埋まり、翌年以降の償却も自動で続きます。個人事業主向けのプランを30日間試せます。

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開業前に買ったパソコンはどう処理する?開業費にならない理由と未償却残高の出し方

開業前に自分用として買ったパソコンを、開業後に仕事で使い始めるケースは多いです。条文の順に整理します。

パソコンは開業費に入らない

開業費は「事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用」ですが、その定義の冒頭で 「資産の取得に要した金額とされるべき費用」は除かれています(所得税法施行令7条1項)。10万円以上のパソコンは減価償却資産なので、開業費にまとめて5年で償却したり任意の年に落としたりはできません。

10万円未満のパソコンは、業務の用に供した年分の必要経費に入れる規定です(施行令138条)。開業前に買った8万円のパソコンを開業と同時に仕事で使い始めたなら、開業した年の消耗品費に事業割合をかけて計上します。

10万円以上は「非業務用期間の減価」を引いた残りから償却を始める

私用で使っていた期間の分だけ価値が減っているとみなし、その減価の額を取得価額から引いた金額が、業務に使い始めた日の未償却残高になります。減価の額は 法定耐用年数の1.5倍の年数で、旧定額法により計算 します。非業務用の期間に1年未満の端数があるときは、6か月以上なら1年に切り上げ、6か月未満は切り捨てです(国税庁 No.2108)。

計算例:240,000円のパソコンを2024年1月に購入、2026年9月に開業して事業割合80%で使用

手順計算金額
①非業務用の期間2024年1月〜2026年8月=2年8か月 → 6か月以上を切り上げ3年
②減価の額に使う年数4年 × 1.56年(旧定額法の償却率0.166)
③非業務用期間の減価の額240,000 × 0.9 × 0.166 × 3年107,568円
④開業日の未償却残高240,000 − 107,568132,432円
⑤2026年分の償却費240,000 × 0.250 × 4/1220,000円
⑥2026年分の必要経費20,000 × 80%16,000円

開業後の償却費は「もとの取得価額240,000円 × 定額法0.250」で計算し、④の残高から引いていきます。2027年は60,000円(必要経費48,000円)、2028年に残高が尽きるところで償却が終わります。旧定額法は取得価額の90%を基礎にするため、③に0.9が入ります。

中古資産として見積耐用年数を使う方法も認められていて(同 No.2108)、経過2年なら「4年 − 2年 + 2年 × 20% = 2.4年 → 2年」で短く償却できます。特例や一括償却をこの転用資産に使えるかは条文に明記がないので、税務署で確認してから決算書に載せてください。

開業前に買ったパソコンの未償却残高(240,000円・非業務用2年8か月)

非業務用期間に減った額

耐用年数4年 × 1.5 = 6年(旧定額法0.166)

240,000 × 0.9 × 0.166 × 3年 = 107,568円

開業日の未償却残高

240,000 − 107,568 = 132,432円

ここから 240,000 × 0.250 × 月数/12 × 事業割合で償却

2年8か月は6か月以上の端数を切り上げて3年。開業費には入れない

図:開業前に買ったパソコンは、私用期間の減価を引いた残高から償却を始める

分割払い・レンタル・月額サブスクで手に入れたパソコンの扱い

買い方が違っても、判定の起点は「所有権が自分にあるか」と「総額はいくらか」です。

分割払い(ショッピングローン・カード分割)は総額で判定

判定は総額、月々の支払いは未払金の返済 です。月10,000円 × 24回のパソコンは取得価額240,000円の資産として買った日に計上し、毎月の引き落としで未払金を減らします。分割手数料は本体と分けて支払手数料(または利子割引料)にします。

支払いが終わっていなくても、償却は使い始めた年から始まります。青色申告なら240,000円は特例の対象で、買った年に全額を償却できます。

月額レンタル・サブスクは払った月の経費

所有権が移らず、返却して終わる月額レンタルは資産になりません。払った月額に事業割合をかけて賃借料(またはリース料)で経費にします。40万円を超えるハイスペック機でも、レンタルなら「40万円の壁」とは無関係です。

中途解約ができず、支払総額が本体価格とほぼ同じになるファイナンス・リース契約は、税務上は売買として扱われ、リース資産としてリース期間で償却します。契約書に「解約不可」「総額」の条件がある場合は、月額レンタルと同じ処理にはならないので契約書を持って税務署で確認してください。

3つの入手方法の比較

入手方法資産計上判定する金額初年度の経費(青色・事業割合80%)
一括購入(240,000円)する240,000円特例で192,000円
24回分割(月10,000円)する(未払金)240,000円特例で192,000円(支払残があっても同じ)
月額レンタル(月8,000円・9月開始)しない月額ごと8,000 × 4か月 × 80% = 25,600円

仕訳例と決算書「減価償却費の計算」欄の書き方

青色申告・免税事業者・事業割合80%で統一します。私用の口座やカードから払った費用は、事業主借で受けます。

仕訳例1:250,000円を事業用口座で一括購入し、少額減価償却資産の特例で当年に経費化

借方金額貸方金額
工具器具備品250,000円普通預金250,000円

年末に全額を償却し、私用分を事業主貸に切り出します。

借方金額貸方金額
減価償却費200,000円工具器具備品250,000円
事業主貸50,000円

仕訳例2:198,000円を私用カードで購入し、一括償却資産で3年に分ける

借方金額貸方金額
一括償却資産198,000円事業主借198,000円

年末は3分の1の66,000円を償却し、80%の52,800円を減価償却費、13,200円を事業主貸にします。翌年・翌々年も同じ仕訳です。

仕訳例3:8万円のノートパソコンを購入(10万円未満)

借方金額貸方金額
消耗品費64,000円普通預金80,000円
事業主貸16,000円

「減価償却費の計算」欄に書くこと

青色申告決算書(白色は収支内訳書)の「減価償却費の計算」欄には、10万円以上のパソコンを処理ごとに次のように書きます。

処理償却方法の欄耐用年数・償却率本年分の償却費摘要
少額減価償却資産の特例「即時」または空欄記入なし取得価額の全額「措法28の2」
一括償却資産「一括」3年取得価額 ÷ 3「一括償却」
通常の減価償却「定額」4年・0.250取得価額 × 0.250 × 月数/12空欄

特例は「確定申告書に明細書を添付すること」が条件ですが、決算書のこの欄に「特例を適用していること」「適用した資産の取得価額の合計額」「明細は別途保管していること」を書いて明細を手元に残せば、別紙の添付は省略できます(租税特別措置法関係通達28の2-3)。摘要欄の「措法28の2」がその記載です。

「事業専用割合」の欄に80と書けば、必要経費算入額は80%で計算されます。決算書全体の記入は青色申告決算書の書き方で整理しています。少額特例と一括償却の使い分け、陳腐化した機器の耐用年数短縮まで含めた制度の全体像は減価償却の特例の記事にまとめました。

残しておく書類

場面残すもの保存年数
取得購入明細(総額・購入日・機種・送料の内訳)、分割契約書7年
特例の適用適用した資産の一覧(名称・取得日・取得価額)=明細書の代わり7年
按分の根拠使用時間の記録・稼働カレンダー・アカウント分離の画面帳簿と同じ7年(白色は5年)
開業前に買った1台購入時の領収書・開業日がわかる開業届の控え7年

よくある質問

Q1. 個人事業主のパソコンは何円まで一括で経費にできますか?

1台10万円未満なら白色・青色とも買った年に全額です。青色申告なら少額減価償却資産の特例で40万円未満まで買った年に全額にできます(2026年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満・年300万円まで)。白色は10万円以上20万円未満を一括償却資産で3年に分けるのが最短です。

Q2. 白色申告でも20万円のパソコンを経費にできますか?

できます。ただし特例が使えないので、20万円以上は耐用年数4年の定額法で月割になります。198,000円のように20万円未満なら一括償却資産を選び、3分の1ずつ3年で落とせます。初年度の経費は特例を使う青色の3分の1です。

Q3. プライベートでも使うパソコンに少額減価償却資産の特例は使えますか?

使えます。判定は取得価額そのもので行い、事業割合は償却費に後からかけます。25万円のパソコンを80%で使っているなら、25万円で特例を適用して20万円が必要経費、5万円が事業主貸です。決算書の事業専用割合の欄に80と書きます。

Q4. 開業前に買ったパソコンは開業費にできますか?

できません。開業費の定義から「資産の取得に要した金額」は除かれています(施行令7条)。10万円以上なら、私用期間の減価(耐用年数の1.5倍・旧定額法)を取得価額から引いた未償却残高を出し、開業した年から4年の定額法で償却します。10万円未満なら開業した年の消耗品費です。

Q5. 送料や初期設定費を入れると10万円を超えます。どちらで判定しますか?

送料・初期設定費は取得価額に含めるので、合計額で判定します(施行令126条)。本体98,000円+設定費5,500円なら103,500円の資産です。別売りのマウスや外部モニタは別の単位なので合算しません。

Q6. 分割払いの途中で年をまたぎます。払った分だけ経費にすればいいですか?

いいえ。買った年に総額で資産に計上し、月々の支払いは未払金の返済です。経費になるのは償却費(青色なら特例で当年一括)に事業割合をかけた金額で、支払いの残高は関係ありません。

まとめ|取得価額で制度を決め、按分は最後にかける

パソコン代の処理は、1台の取得価額で制度を決め、事業割合を最後にかけるだけです。

この記事のまとめ

  • 判定は1台の取得価額(送料・設定費込み・免税事業者は税込)。同時購入でも単独で機能する周辺機器は別
  • 10万円未満=消耗品費/10万〜20万円未満=一括償却資産(3年)/青色は40万円未満まで当年一括(2026年4月1日以後の取得・年300万円・開業年は月割)/それ以上は4年の定額法
  • 25万円・9月購入・80%なら、青色の特例で200,000円、白色の通常償却で16,666円。初年度の差は約18万3,000円
  • 兼用でも特例は使える。償却費 × 事業割合が経費で、判定に割合はかけない
  • 開業前に買った1台は開業費にならない。私用期間の減価を引いた未償却残高から償却を始める
  • 分割払いは総額で判定+未払金。月額レンタルは払った月の賃借料

取得価額・取得日・事業割合の3つを記録しておけば、どの制度を選んでも決算書の「減価償却費の計算」欄は埋まります。買う前に金額帯を確かめておくと、10万円や40万円の境目で処理を変えられます。

償却率の表を引いて月割を手計算し、事業主貸を切り出す作業は、1台目より2台目・3台目で間違えやすくなります。固定資産を登録すれば、少額特例・一括償却・通常償却の選択と翌年以降の償却、決算書の「減価償却費の計算」欄まで一続きで作れます。青色申告の65万円控除に必要な複式簿記も、仕訳の知識なしで進められるプランを30日間試してから決められます。

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免責事項

※本記事は2026年9月時点の公開情報・国税庁公式をもとにした整理です。筆者は税理士ではなく、フリーランスとして自分の申告を行ってきた一当事者です。取得価額の範囲・家事按分の割合・少額減価償却資産の特例や耐用年数の判定、開業前に取得した資産の扱いは、事業内容や改正により異なります。個別の税務判断は、所轄の税務署または税理士など有資格者へご確認ください。


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この記事を書いた人

会社員をしながら副業でWebライターを始め、開業届の提出から青色申告への切り替えまで、独学でやり切ったAokiです。今は専業のフリーランスとして4年目になります。副業の確定申告に初めて向き合った夜、青色申告の本を読んでも税理士のブログを見ても、「副業会社員のリアル」がどこにも書かれていなくて、夜中に頭を抱えました。

経費は何が認められるのか、住民税をどう設定すれば会社に知られにくいのか、仕訳は結局何を入力すればいいのか。全部、自分で何か月もかけて調べました。当時いちばん欲しかったのは、同じ立場の人がどう乗り越えたかの手順書です。このサイトでは、副業ならではの経費計上やfreeeとマネーフォワードの使い分けを、専門用語をかみ砕いて書いています。最終的な税務判断は、顧問税理士にご確認ください。

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