青色申告者に対する特典である償却費に関する特例をご紹介します。
陳腐化した減価償却資産の償却費の特例
青色申告者が有する減価償却資産が技術の進歩その他の理由により著しく陳腐化した場合において、所轄国税局長の承認を受けたときは、 承認を受けた使用可能期間で再計算した償却費の累計額と、通常の償却費の累計額との差額をその年の通常の償却費の額に加えた金額を 償却費の額とすることができます。
中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例
常時使用する従業員の数が1,000人以下の中小企業者に該当する青色申告書者が、その取得価額が10万円以上30万円未満の減価償却資産 については、その取得価額相当額を取得等した年に必要経費に算入することができます。ただし、この特例の適用のある減価償却資産の取得 価額の合計額は300万円が限度となっています。
減価償却資産の耐用年数の短縮
青色申告者の有する減価償却資産が次に掲げる事由に該当することとなった場合には、所轄国税局長の承認を受けた上で、短縮した 耐用年数によって減価償却費の計算をすることができます。
- 材質又は製作方法が他の減価償却資産と著しく異なることにより、その使用可能期間が法定耐用年数に比して著しく短いこと。
- 資産の存する地盤が隆起し又は沈下したことにより、その使用可能期間が法定耐用年数に比して著しく短いこととなつたこと。
- 資産が陳腐化したことにより、その使用可能期間が法定耐用年数に比して著しく短いこととなつたこと。
- 資産が場所の状況に基因して著しく腐しよくしたことにより、その使用可能期間が法定耐用年数に比して著しく短いこととなつたこと。
- 資産が通常の修理又は手入れをしなかつたことに基因して著しく損耗したことにより、その使用可能期間が法定耐用年数に比して著しく短いこととなつたこと。
- 上記以外の一定事由で資産の使用可能期間が法定耐用年数に比して著しく短いこと又は短いこととなつたこと。
承認の手続
耐用年数の短縮の制度の承認を受けるには、減価償却資産の種類及び名称、所在する場所、使用可能期間等の事項を記載した申請書に資 産が申請事由に該当することを証する書類を添付し、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出する必要があります。
通常の使用時間を超えて使用される機械及び装置の償却費の特例
青色申告者が有する機械及び装置の使用時間が通常の経済事情における平均的な使用時間を超える場合において、平均的な使用時間を超え て使用することによる損耗の程度に応じた一定の増加償却割合を乗じて計算した金額と通常の償却費の金額の合計額を償却費とすることが できます。
特別償却・割増償却
青色申告者は、減価償却資産において次のような特別償却又は割増償却を受けることができます。
- エネルギー需給構造改革推進設備を取得した場合の特別償却
- 中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却
- 事業基盤強化設備を取得した場合の特別償却
- 沖縄の特定中小企業者が経営革新設備等を取得した場合の特別償却
- 情報基盤強化設備等を取得した場合の特別償却
- 特定設備等の特別償却
- 地震防災対策用資産の特別償却
- 事業革新設備等の特別償却
- 特定電気通信設備等の特別償却
- 集積区域における集積産業用資産の特別償却
- 資源再生化設備等の特別償却
- 新用途米穀加工品等製造設備の特別償却
- 特定地域における工業用機械等の特別償却
- 医療用機器等の特別償却
- 建替え病院用建物に係る特別償却
- 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却等
- 支援事業所取引金額が増加した場合の3年以内取得資産の割増償却
- 経営基盤強化計画を実施する指定中小企業者の機械等の割増償却
- 特定再開発建築物等の割増償却
- 倉庫用建物等の割増償却