【青色申告】減価償却の特例で即時経費化!40万円未満の資産や耐用年数短縮を完全ガイド

青色申告者だけが使える「減価償却の特例」を完全網羅。30万円未満の資産を一括経費にする少額減価償却資産の特例から、設備の陳腐化による耐用年数の短縮、特別償却までわかりやすく解説。賢く活用して節税とキャッシュフロー改善を実現しましょう。

青色申告なら、取得価額40万円未満の資産を購入した年に全額経費化できます(年間合計300万円まで)。2026年4月1日以後の取得から30万円未満→40万円未満に引き上げられ、適用期限も2029年3月31日まで延長されました。

この記事でわかること

  • 40万円未満を即時経費化する少額減価償却資産の特例(2026年4月1日以後の取得)
  • 陳腐化資産の耐用年数の短縮
  • 機械をフル稼働した場合の増加償却
  • 省エネ・経営強化の特別償却・割増償却
  • 通常の減価償却との違い

公的情報源: e-Gov法令検索 租税特別措置法 第28条の2(中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例)/同 租税特別措置法施行令 第18条の5(いずれも2026年8月12日時点の施行内容を確認)/国税庁 No.2100 減価償却のあらまし(令和7年4月1日現在法令等・2026年8月12日閲覧)

結論を先に書きます

通常、高額な資産は減価償却で数年〜数十年かけて経費にしますが、青色申告者には償却費の特例 があり、即時または短期間で経費化できます。最も身近なのが 取得価額40万円未満の資産を購入年に全額経費化できる「少額減価償却資産の特例」(年300万円まで)。さらに陳腐化資産の耐用年数短縮、機械フル稼働の増加償却、省エネ・経営強化設備の特別償却など、「いつ、いくら経費を作るか」をコントロールできる 制度がそろっています。

金額要件は2026年4月1日に引き上げられました。租税特別措置法第28条の2は「令和十一年三月三十一日までの間に取得し…取得価額が四十万円未満であるもの」と定めています(e-Gov法令検索で2026年8月12日時点の施行内容を確認)。

この記事の要点
  • 40万円未満の資産は購入年に全額経費化(年300万円まで)
  • 金額要件は2026年4月1日以後の取得から40万円未満。3月31日以前の取得は30万円未満
  • 陳腐化・劣化が激しい資産は耐用年数を短縮できる(要承認)
  • 機械の長時間稼働は増加償却で経費を増やせる
  • 省エネ・経営強化設備は即時償却や特別償却のチャンス

どの特例で最も手元に残るかは、現状の数値を把握するところから。会計ソフトなら減価償却の管理も自動で、無料から試せます。

目次

青色申告の「償却費の特例」とは|全体像

償却費の特例は 国が投資を応援するための優遇措置 です。技術の進化が早く法定耐用年数まで使えない事情や、中小企業の投資を促進する意図から、一定要件を満たす青色申告者に次の特例が用意されています。

特例の種類主なメリット対象の例
① 少額減価償却資産の特例40万円未満なら即時全額経費化PC・応接セット・ドローンなど
② 耐用年数の短縮法定より短い年数で償却可能陳腐化した設備・腐食した建物
③ 増加償却稼働時間が長い場合に償却費を増やす24時間稼働の工場機械など
④ 特別償却・割増償却取得初年度に大きく経費計上省エネ設備・経営強化設備など

特に小規模事業者に身近で効果が大きいのが ①少額減価償却資産の特例 です。

取得価額10万円未満は一括経費、40万円未満は青色申告の少額減価償却の特例で購入年に全額経費、40万円以上は通常の減価償却となり、特例は年300万円までであることを示した図。2026年3月31日以前の取得は30万円未満が要件。
図:取得価額で変わる経費化の方法と年300万円の上限(2026年4月1日以後の取得)

中小事業者の少額減価償却資産の特例

年末の駆け込み節税でよく使われる制度です。通常10万円以上の資産は減価償却が必要ですが、この特例を使えば 1個あたり40万円未満の資産を、買った年に全額経費 にできます。

適用条件と限度額
  • 対象者:青色申告をしている個人事業主(常時使用する従業員400人以下)または中小企業者
  • 金額要件:取得価額が10万円以上40万円未満(2026年4月1日以後の取得)
  • 限度額:年間合計300万円まで
  • 適用期限:2029年(令和11年)3月31日までの取得

対象者の人数要件も2026年7月31日から引き下げられ、個人は「常時使用する従業員400人以下」となりました(租税特別措置法施行令第18条の5)。法人の場合は租税特別措置法第67条の5が根拠で、従業員400人以下(電子申告義務のある特定法人は300人以下)が対象です。

「年間300万円まで」は即時償却する資産の合計額です。39万円のPCを7台買えば273万円を経費にできますが、8台で312万円となり、300万円を超えた分は通常の減価償却が必要になります。

20万円のPCを購入した場合経費計上
通常(白色など)4年(48か月)かけて毎年5万円ずつ
特例利用(青色)購入した年に20万円全額

利益が出ている年にこの特例を使えば 課税所得を圧縮 でき、税金対策として有効です。

20万円のパソコンを購入した場合に、通常の減価償却では4年かけて毎年5万円ずつ経費化するのに対し、青色申告の少額減価償却の特例では購入年に20万円を全額経費にできることを示した比較図。
図:20万円のPCで比べる通常の減価償却と特例の差

取得日で金額要件が変わる|30万円未満と40万円未満の境目

判定は「いつ取得したか」で分かれます。ここを取り違えると、決算書の明細と要件がずれます。

資産を取得した日金額要件適用期限
2026年3月31日以前取得価額30万円未満改正前の期限(令和8年3月31日)まで
2026年4月1日以後取得価額40万円未満2029年(令和11年)3月31日まで

35万円のPCを2026年2月に買った場合は旧要件の30万円未満に収まらず、通常の減価償却になります。同じPCを2026年5月に買えば40万円未満に収まり、購入年に全額経費です。年間300万円の上限は改正前後で変わりません

なお、国税庁のタックスアンサー No.2100(減価償却のあらまし)は令和7年4月1日現在の内容で、2026年8月12日時点でも「30万円未満・令和8年3月31日まで」と旧要件を表示しています。金額と期限は条文(租税特別措置法第28条の2)が正です。

どの特例を使えば最も手元に残るかは、まず今期の数値を正確に把握することから。会計ソフトなら固定資産の登録で減価償却が自動計算され、少額減価償却の管理も楽になります。30日無料で試せます。

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技術革新に対応「陳腐化資産」の耐用年数短縮

「まだ使えるが、新技術の登場で実質的に使い物にならなくなった」場合、法定耐用年数通りの償却は実態に合いません。所轄国税局長の承認を受けることで、陳腐化による償却費の再計算 が認められ、過去に償却しきれなかった分を取り戻す形でその年の経費を増やせます。IT機器や製造機械など技術進歩が著しい業界で有効です。

法定耐用年数は一般的な目安のため、特殊な環境下の資産は より短い耐用年数を適用 できる場合があります。

耐用年数の短縮が認められる主な理由
  • 材質・製作方法の特殊性(著しく寿命が短い作り)
  • 地盤の隆起・沈下による寿命の短縮
  • 技術革新による陳腐化/海沿い・化学工場などの腐食
  • 通常の修理・手入れができなかった損耗の激化

例えば「温泉地のホテルで硫黄成分により配管・設備の劣化が極端に早い」ケースで利用できる可能性があります。自動適用されず、「耐用年数の短縮の承認申請書」に証明書類(技術者の意見書・写真など)を添付して国税局長へ提出します。

青色申告の償却の特例を、申告だけで使える少額減価償却(40万円未満)、届出が必要な増加償却、国税局長の承認が必要な耐用年数の短縮という手続きの重さで整理した図。
図:手続きの重さで分けた3つの償却特例の使い方

機械をフル稼働させているなら「増加償却」

工場などで機械を通常以上に酷使すると寿命が縮まります。これを反映するのが 増加償却(通常の使用時間を超えて使用される機械装置の償却費の特例) です。平均的な稼働時間を超えた部分に、損耗の程度に応じた増加償却割合を乗じて経費を上乗せできます。

1日8時間稼働が標準の機械を16時間(2交代制)で稼働させている場合などが対象です。届け出が必要ですが、実態に合わせて経費を増やせるため、製造業の青色申告者は確認したい項目です。

攻めの投資を支援する「特別償却・割増償却」

国は特定分野への投資を推進しており、そのインセンティブとして特別償却・割増償却が用意されています。頻繁に税制改正で内容が変わりますが、代表的なものは次の通りです。

  • 中小企業経営強化税制:経営強化法の認定計画に基づく設備投資で、即時償却(100%経費化)や税額控除を選べる
  • 環境・エネルギー関連:省エネ・脱炭素に貢献する設備の取得で優遇
  • 地域特化型:沖縄の特定中小企業や特定集積区域の産業用資産など、地域活性化に資する投資の特例
  • 防災・安全関連:地震防災対策用資産などBCPに資する投資の特別償却

これらは「知っているか知らないか」だけで税額が変わることがあります。

よくある質問

Q1. 少額減価償却資産の特例は白色申告でも使えますか?

使えません。この特例は青色申告をしている中小事業者・個人事業主が対象です。白色申告の場合、10万円以上の資産は原則として通常の減価償却が必要です(一括償却資産の制度は別途あります)。

Q2. 40万円未満の資産は何個でも経費にできますか?

年間合計300万円までです。39万円のPCなら7台(273万円)まで全額経費にでき、それを超える分は通常の減価償却になります。上限額は改正の前後で変わっていません。

Q3. 35万円のパソコンは一括で経費にできますか?

取得した日で分かれます。2026年4月1日以後に取得したものは40万円未満に収まるため、購入年に全額経費化できます。2026年3月31日以前に取得したものは旧要件の30万円未満に収まらないため、通常の減価償却になります。

Q4. 耐用年数の短縮や特別償却は自分で判断できますか?

特別償却や耐用年数の短縮は要件の判断が難しく、事前の承認申請や確定申告書への正しい記載が必要です。要件を満たさないと否認されるため、税理士への相談がおすすめです。

Q5. 利益が出た年に設備を買えば必ず節税になりますか?

少額減価償却の特例などで課税所得を圧縮できますが、無理な購入は資金繰りを悪化させます。今期の利益予測と照らし合わせ、必要な投資を前倒しする形で活用するのが基本です。

まとめ|特例を使いこなしてキャッシュを残す

この記事のまとめ
  • 40万円未満の資産は年300万円まで即時経費化できる(最も使いやすい)
  • 金額要件は2026年4月1日以後の取得から。適用期限は2029年3月31日まで
  • 陳腐化・劣化が激しい資産は耐用年数を短縮できる(要承認)
  • 機械の長時間稼働は増加償却で経費を増やせる
  • 省エネ・経営強化など政策的な投資は即時償却・特別償却のチャンス

減価償却の特例は「いつ、いくら経費を作るか」をコントロールできる経営の手段です。多くは事前の申請や正しい記載が必要なため、まずは会計ソフトで現状の数値を把握し、特別償却や耐用年数短縮など判断が難しいものは税理士に相談しましょう。

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免責事項

※本記事は2026年8月時点の公開情報・法令をもとにした整理です。減価償却・特別償却・各種特例は改正されることがあり、適用要件は個別事情で異なります。特別償却・耐用年数短縮など判断の難しいものは、税理士または所轄の税務署へご相談ください。


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この記事を書いた人

会社員をしながら副業でWebライターを始め、開業届の提出から青色申告への切り替えまで、独学でやり切ったAokiです。今は専業のフリーランスとして4年目になります。副業の確定申告に初めて向き合った夜、青色申告の本を読んでも税理士のブログを見ても、「副業会社員のリアル」がどこにも書かれていなくて、夜中に頭を抱えました。

経費は何が認められるのか、住民税をどう設定すれば会社に知られにくいのか、仕訳は結局何を入力すればいいのか。全部、自分で何か月もかけて調べました。当時いちばん欲しかったのは、同じ立場の人がどう乗り越えたかの手順書です。このサイトでは、副業ならではの経費計上やfreeeとマネーフォワードの使い分けを、専門用語をかみ砕いて書いています。最終的な税務判断は、顧問税理士にご確認ください。

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