純損失の繰越し、繰戻し

青色申告をしている者で事業所得、不動産所得及び山林所得の各種所得に損失が発生し、他の所得と損益通算をしても損失が残る場合には 翌年以後3年間損失を繰越すことができます。純損失の繰越控除をするには、確定申告書に損失の金額に関する事項を記載し提出期限内に 提出するとともに、翌年以後も連続して確定申告書を提出する必要があります。

なお、白色申告者の場合は、純損失の金額のうち、変動所得の損失と被災事業用資産の損失の金額のみが繰越控除の対象となります。 ※変動所得とは漁獲・のりの採取から生ずる所得、はまち、うなぎ、ほたて等の養殖から生ずる所得、原稿・作曲の報酬に係る所得など、 年によって著しい変動がある所得をいいます。

また、被災事業用資産の損失は、災害により事業用資産 が滅失し、損壊し又はその価値が減少したことによる事業用資産の取壊し又は除去のための費用その他の付随費用をいいます。

純損失の繰戻し

青色申告者は、純損失の繰越控除により翌年以後3年間の損失の繰越を受けることができるほか、前年の所得から控除し、納付済みの 所得税の還付を受けることができます。この純損失の繰戻しを受ける場合には、確定申告書に損失に関する金額等を記載し、提出期限内に 所轄税務署に提出すると共に「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を提出する必要があります。
還付金額の計算は 次のとおりです。

還付金額の計算

前年分の税額控除前の所得税の額 - 前年分の課税所得金額から純損失の金額を控除した金額に前年分の税率を適用して算出した税額控除前の所得税額 = 還付限度額

※この金額が前年分の所得税の額を超えるときは、その所得税の額が限度となります。