【白色申告】事業専従者控除で税金はいくら安くなる?要件と計算式、配偶者控除との違いを徹底解説

この記事でわかること

  • 家族への対価を控除に変える事業専従者控除の仕組み
  • 控除を受ける4つの要件
  • 控除額の計算式(配偶者86万円と所得÷人数+1の低い方)
  • 配偶者控除と併用できない点と損得の判断
  • 青色事業専従者給与との違い

公的情報源: 国税庁 No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除(2026年6月閲覧)

結論を先に書きます

白色申告では家族への給与を経費にできませんが、その救済として 「事業専従者控除」 があります。これは給与を経費にするのではなく 決まった金額を所得から差し引く 仕組みです。控除額は 「配偶者86万円(その他の親族50万円)」と「事業所得÷(専従者数+1)」の低い方。注意点は 配偶者控除と併用できない こと。さらに節税したいなら、給与を全額経費にできる青色事業専従者給与(青色申告)への切り替えが有力です。

この記事の要点
  • 白色は給与を経費にできず、代わりに事業専従者控除がある
  • 控除額=配偶者86万円所得÷(人数+1)の低い方
  • 配偶者控除と併用不可。どちらが得か比較が必要
  • 青色なら給与を全額経費+65万円控除のダブル効果

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目次

事業専従者控除とは|白色申告だけの特例

通常、生計を一にする家族へ支払う給与は原則として必要経費になりません。青色申告なら「青色事業専従者給与」として全額経費にできますが、白色申告では家族への給与を経費にできません。その救済として、一定の要件を満たした家族(専従者)がいる場合に、所得から一定額を差し引ける のが事業専従者控除です。

ポイントは「給料を経費にする」のではなく 「決まった金額を所得から引く(控除する)」 仕組みで、実際の金銭の授受がなくても適用できることです。

事業専従者控除を受ける4つの要件

要件内容
1. 関係性白色申告者と生計を一にする親族(配偶者・親・子など)
2. 年齢その年の12月31日現在で15歳以上(学生は原則対象外)
3. 従事期間その年を通じて6か月を超える期間、専ら従事(年途中開業は開業期間の1/2超)
4. 専従性専らその事業に従事(他に本業がある場合は不可)

最もトラブルになりやすいのが「専従」の定義です。学生(夜間で支障がない場合は例外)や、従事時間の長い他の職業がある人 は原則対象外になります。

いくら安くなる?控除額の計算式

控除額は一律ではなく、次の【1】と【2】の 低い方 が適用されます。

事業専従者控除額の決定ルール
  • 【1】上限設定額:配偶者なら86万円、配偶者以外の親族なら50万円(一人につき)
  • 【2】所得による限度額(事業専従者控除前の所得金額)÷(事業専従者の数+1)

【2】は事業主が赤字にならないようにするための制限です。

計算シミュレーション

ケース【1】上限【2】限度額控除額(低い方)
A:事業所得500万円・妻が専従者86万円500万÷2=250万円86万円
B:事業所得100万円・妻が専従者86万円100万÷2=50万円50万円

事業所得が大きいケースAでは上限の86万円、利益が少ないケースBでは限度額の50万円が控除額になります。

【最重要】配偶者控除と併用できない

事業専従者控除を受けると、配偶者控除(および配偶者特別控除・扶養控除)は一切受けられなくなります。どちらが得かを比較する必要があります。

配偶者控除は最大38万円です。事業専従者控除を使うとこの38万円の枠は消えますが、控除額が38万円以上になるなら基本的に事業専従者控除の方が有利 です。ただし計算式【2】により事業の利益が少ない場合は控除額が38万円を下回ることがあり、その場合は配偶者控除(38万円)の方が有利なケースもあります。一度専従者として届け出るとその年は配偶者控除を受けられない ため、申告前に必ずシミュレーションしましょう。

複数事業がある場合の按分計算

事業所得以外に不動産所得などがあり、専従者が複数の事業を手伝っている場合は次のルールで計算します。

  • 仕事の内容が明確な場合:合理的に按分できるならその比率で分ける
  • それ以外の場合:均等に事業に従事したものとして計算する

不動産所得(アパート経営など)がある場合は事業所得と合算して計算するため複雑になります。不安な場合は税理士に相談しましょう。

確定申告書への書き方

事業専従者控除は 事前の届出は不要 ですが、確定申告書への記載漏れがあると控除を受けられません。白色申告で使う「収支内訳書」1ページ目の「事業専従者に関する事項」欄に、氏名・年齢・続柄・従事月数(6か月超が必要)・控除額を記入します。確定申告書では「所得から差し引かれる金額」ではなく、事業所得の計算過程で差し引く 形(経費のような扱い)になります。様式変更で記載箇所が変わることがあるため、国税庁の手引きを参照してください。

本当に白色申告のままでいい?青色との比較

家族に手伝ってもらっているなら、白色のままでは損をし続けている可能性があります。白色の事業専従者控除は配偶者でも86万円が上限ですが、青色申告に切り替えれば「青色事業専従者給与」として常識的な範囲なら全額経費 にできます。

項目白色(事業専従者控除)青色(専従者給与)
経費化できる額上限86万円(配偶者)上限なし(適正額なら全額)
特別控除なし最大65万円
赤字の繰越不可3年間可能

青色申告にするだけで 「家族への給与を経費化」+「65万円控除」のダブル効果 で、税金が数十万円単位で変わることも珍しくありません。

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よくある質問

Q1. 事業専従者控除は実際に給与を払わなくても受けられますか?

受けられます。事業専従者控除は給与の支払いではなく、要件を満たす専従者がいる場合に決まった金額を所得から差し引く控除です。実際の金銭の授受がなくても適用できます。

Q2. 配偶者控除と事業専従者控除はどちらが得ですか?

控除額が配偶者控除(最大38万円)を上回るなら、基本的に事業専従者控除が有利です。ただし事業の利益が少なく控除額が38万円を下回る場合は配偶者控除の方が有利なこともあります。申告前にシミュレーションしましょう。

Q3. 学生の家族も事業専従者にできますか?

原則として学生は対象外です。ただし夜間学校などで昼間の事業従事に支障がない場合は例外的に認められることがあります。

Q4. 白色から青色に変えると家族給与はどう変わりますか?

青色申告に切り替えると、事業専従者控除(上限86万円)の代わりに、適正額なら全額経費にできる青色事業専従者給与が使えます。さらに最大65万円控除も受けられ、節税効果が大きくなります(事前の届出が必要)。

まとめ|まず正しい控除額の把握から

この記事のまとめ
  • 事業専従者控除は、白色申告者が家族への対価を控除する手段
  • 控除額は上限額(配偶者86万)と所得÷(人数+1)の低い方
  • 配偶者控除と併用不可。どちらが得か比較が必要
  • さらに節税するなら青色申告への切り替えが有力

控除額の計算や青色への切り替えは、会計ソフトを使えば質問に答えるだけで自動作成できます。まずは無料で使えるツールで、自分の税金がいくら安くなるか試算することから始めましょう。

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免責事項

※本記事は2026年6月時点の公開情報・国税庁公式をもとにした整理です。控除額・要件・申告様式は改正されることがあり、按分計算など個別の判断は状況で異なります。具体的な税務判断は税理士または所轄の税務署へご相談ください。


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この記事を書いた人

会社員時代に副業でWebライターを開始し、開業届の提出から青色申告への切り替えまでを独学で完遂。「会社にバレない申告方法」や「副業ならではの経費計上」の実践研究が得意。現在は専業フリーランスとして活動中。難しい専門用語を使わず、初心者でも今日から使える申告術をわかりやすく解説します。

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